現地で描かないとダメ?
「絵は現地で描かないといけない」という考えの方は少なからずいます。
学生の頃の講師の方がそうだったようで、写真と簡単なスケッチを使って描いていたら強めに注意されたことを覚えています。
その時はなぜアトリエで風景画を制作しているのかをはっきり言葉にできなかったのですが、今は考えがまとまってきたのでここで説明しようかなと思います。
現地で描く理由
なぜ現地で描かなければならないのか?おそらくその場の雰囲気、時間や現地でしか感じとれないものを表現するのに適しているからだと思います。
それを否定するつもりはまったくないです。自分も水彩やペンなどで現地で描く際はそれらを意識して描きます。
しかし裏を返せば、それらの諸条件に縛られがちではないかと思います。
どういう絵を描きたいか?
結局のところ、どういう画面にしたいかの問題ではないかと思うのです。
さっき述べた現地でしか得られないものは自分にとっては絵の要素のごく一部であって、最終的な目標ではないです。
自分の理想は、だれもが行ったことがあるかもしれないような風景をみせることで、なにか思い出したり考えたりする契機を与えられる画面です。
そして温かみも冷たさも両方感じられる画面です。
現地で描いた場合、その時点の限定された情報を詰め込み過ぎてしまうおそれがあります。その点アトリエで長時間(1~2ヶ月)かけて制作すれば、その場所を思い出しつつ様々な感情を込めることが可能です。
ですから自分はアトリエで制作した作品に重きを置いているというわけです。
学生の頃にこれくらい整理できてればよかったのですが。
今日の2枚
風景画じゃなくてすいません。
ペン画に軽く色をつけました。
お読みいただきありがとうございました。