絵を始めたばかりの人の問題点
実はカルチャーセンターで講師なんぞやらせてもらってまして、全く絵を描いたことがない方向けの講座を担当してます。
始めたばかりの人に共通する問題点が2つあると思うので記事にしてみようと思います。
一番の問題点は、そのまま描きすぎてしまうことです。見えているもの全部描こうとすると情報量が多すぎて何を描いて良いかわからなくなってしまいます。少し慣れてくると今日はこの部分を強調してみようとか暖かい画面にしようとか、描く前に完成画面を想像できます。言い換えれば描く要素を整理できるようになるということです。
見たまま描く必要は全くないので、実際に見えてても邪魔だったら省いても有りなのです。
以前UPした画像ですが参考に載せてみます。
これのもとになった風景がこちら
だいぶ違うのがわかると思います。
この風景を寸分違わず描くのは相当大変です。リアルに描く方なら時間かけて描くのでしょうが、僕はそこまでの描き込みは却って絵としての魅力がなくなると思うのでここで完成にしてます。
特に水彩の場合は修正が効きにくいため、どういう絵にしたいか明確にイメージしておいた方が良いと思います。
もう一つの問題点は、しっかり観察してないことです。
なんとなくの先入観でモチーフを捉えてしまうようです。
たとえば皆さんりんごというとどんなイメージでしょうか?おそらく赤くて丸みがある果物と想像できると思います。
ただりんごをじーっくり何分も見てみると、意外とゴツゴツしてて色も赤だけではないのがわかると思います。注意して観察してないとりんごはこういうものだろうと思い込んでしまって、あっさり赤色だけおいてすぐ描き終わってしまいます。
じっくり観察してみればいろいろな発見があって、自然とここを描くにはこうしようと絵を描くための発想が生まれると思います。
筆や鉛筆を手に取るまえに、描きたい画面を頭の中に置いてそれから取捨選択しながら描いていくと自分なりの絵に仕上がるはずです。多分。