ニシナのエブリディ絵ブログ

油絵、色鉛筆などで絵を描いています。制作している絵や展示等について記事にしていこうと思います。

美大の話

美大出の人はどれくらい作家になるのか?

 1学年で2,3人作家になれればいいほうなんて言葉を聞いたことがあります。

今卒業して10年くらい経ちますが、作家として定期的に発表してるのはもう3,4人くらいになってしまいました。絵だけで飯を食ってるのは0人です。

 ただ入学した全員が作家になりたい→2,3人しか続けられないというわけではなく、入学してしばらくたつと、ほとんどの人が絵を描かなくなって卒業時にはすでに数人しか続ける人はいなくなっているのが現状です。(他の大学はわかりません。)

美大の実情

 なぜそんな風になるのかというと、入学してから絵を描くのを強制されないのでサボろうとすればサボり放題で、課題提出日の前日くらいにちゃっちゃっと描けば単位をくれるからです。

また美大というと絵に関することを教えてくれそうですが、実際のところ技法や展示方法など教えてくれるわけではなく、いい作品をつくろうとしたら自分で調べなくてはなりません。先生方は1日1回程度見回りにきますが、これといってアドバイスをくれるわけではないです。ひどい講師になると誰とも話さず、アトリエ一周して帰る人もいました。まさに給料泥棒です。

美大に入る人たち

 私の通ってた大学は付属から推薦で入ってきた人が多かったので、正直意識もレベルも低かったです。そこしか受からなかったので私も似た様なもんですが...。

しばらくするとアトリエにいるのは数人のみという有様でした。その数人も熱心に描いているというよりなんとなくいる感じです。

 一度、課題と関係ない絵を描いていたら、「課題じゃない絵描いててすごいね。私描きたいものないの。」と同級生にいわれたときは愕然としました。「なんで美術学科きとんねん?」と思いましたが、シャイで温厚な青年(私のこと)だったのでなにもいいませんでした。

 

 卒業間際、たいして描いてない人が「仕事をして少し落ち着いたら、また描きたい。」と講師の方にいったら「君は絶対に描かないよ。」と即答されてたのをよく覚えています。

実際絵を描き続けるのは大変なことです。別に誰からも頼まれることではないし、自分が描かなくてもいい絵は世の中に溢れかえっています。自分にしか描けない表現なんてほとんどの作家には到達できない境地です。それでもいい作品をつくろうとするのはよっぽど好きでないとできないことです。

 

 今考えてみると、広いアトリエ、参考資料が多数ある図書館、巨大な石膏像がある部屋、豊富な時間など真剣に学ぼうとする人にとっては、恵まれた環境だったと思います。先生のなかにも聞けばヒントを出してくれる方もいました。

その環境で自分から学ばない人は、卒業しても描かないでしょうし、先生方はあえて放任主義をとっていたのかもしれません。

 私もいつまで発表できるかわかりませんが、もうちょい頑張ってみようと思います。

 

今日の一枚

本文と関係はないです。

夕暮れを描きました。

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お読みいただきありがとうございました。