下絵としての水彩
油絵の描画に入る前に、イメージを掴むために透明水彩を描く場合があります。
下絵としての透明水彩は手っ取り早くて便利ですが、色々な画材がある中で一番苦手なので本制作にはまだまだ使えない状況です。
カルチャーセンターなどで絵を始めたい方とお話しすると、油絵は難しそうだからまず水彩を描きたいとのご意見をよく聞きますが、油絵の方が簡単じゃないかなぁと個人的には思います。
油絵の方が簡単な理由
その理由は、油絵の具はすぐ乾かないところです。失敗しても布でとったりして何回でも描き直せます。がっつり乾いた後でも隠蔽力が強いので、気に食わなければ上から描けます。
僕の場合、基本1日描いたら半日〜1日置いてまた描くので次はどうしようか考える余裕も十分あります。
一方、透明水彩は紙の白さを生かすのが持ち味なので、隠蔽力が弱いです。
隠蔽力が弱いということは、上から修正が効かないということにもつながります。
そして、中途半端に乾きが早いので、計算して乾く前に少ないタッチで色を滲ませてあげないと、ムラになったり色が汚くなってしまいます。描いてから次どうしようか考えていると手遅れの場合が多々あります。半乾きの時に「やっぱり他の色を足そう」と焦って加筆すると大抵にごった色になり、終了です。もう一回最初からです。
だからある程度慣れた人が、描く前に使う色や手順を頭に入れて制作しないと上手く行かないのではと思います。
水彩の良いところ
ただ水彩には油彩で出せない鮮やかさがあると思います。それがあって水彩はもう描くのやめたいとまではいきません。ただ上手くいかないのでイライラしながら描くことになりますが....。
上が本描きの油彩、下が下絵の水彩です。