画用液
油絵は描いて字のごとく油を使って絵を描きますが、じゃあキャノーラ油とか紅花油でいいかというとそうではなく(試したことはないです)、専用の画用液を使って制作しないといけません。
チューブから出してそのまま絵を描くこともできますが、画用液を使うことで筆伸びを良くしたり透明性を高めたりと様々な効果があります。
画用液の中身
具体的に何が入っているかというと油以外にもいろんなものを混ぜて使います。
基本はa 「揮発性油」、b「乾性油、ワニス(樹脂を揮発性油を溶かしたもの)、乾燥促進剤」の4種類が配合されます。
ごく簡単に説明すると
揮発性油...すぐ乾く。粘度を調整する。
乾性油...絵の具を固まりやすくする。
ワニス...透明性を高める。艶も。
乾燥促進剤...乾燥を早める
こんな感じです。
ちなみに水彩は水が蒸発して絵の具が画面に残りますが、油絵の具は酸素と結合して固化します。
乾燥促進剤というのは酸素をいっぱい運んでこの結合を速めてくれるものです。
それぞれたくさん種類があるのでどれを使っていいか迷いますが、自分の場合は艶と透明度が高くなるように配合しています。
めんどくさい方には...
読んでいて「めんどくさ!」と思った方には、ちゃんとbがミックスされた「ペインティングオイル」なるものが画材屋さんに売ってます。
これとaを混ぜればバッチグーです。
バッチグーではありますが、これは言うなればコンビニ弁当みたいなもので手っ取り早くて美味しいけれど、最高に美味いわけではないので、一定以上の画面にしたい場合は自作しないといけません。
製作の手順
まず全部混ぜます。それ以外にa単体も用意します。
描き始めは混ぜてないaのみで描いて徐々にbの比率を上げていきます。この手順を逆にすると艶が消えたり、亀裂の元になったりと大変です。
受験生の時は時間短縮のためにaだけで描いてましたが、15年ほどたった今見返すと剥離してたり、艶が引いてたりと無残な画面になってました。
経年劣化はするものですが、商品として販売してますので最大限いい状態を維持できるように、気をつけねばなりません。
ここ数年同じ画用液を使用して製作してます。今のところ問題ないのでしばらくは同じでいいかなと思ってます。
下の絵は2年ほど前の絵です。